遅い夕食をとりながら、NHK「トットてれび」を観ました。大好きな向田邦子さん特集なので、ハッピーな結末にならないと予測してはいましたが、それでもかなりしんみりしてしまいました。
最初に猫の伽俚伽(かりか)が出てきたところからもう感激!向田さんのお父さまが名前をつけられたそうですが、まさかここまで忠実に出てくるとは。後からマミオも出てきましたね。
ミムラさんと向田さん、お顔は似てはいないはずなのですが・・・スカーフを頭に巻いた姿などは驚くほどにそっくり。ゆったりしたブラウスの「勝負服」や、マンションに置いてあったケニアで買った腕輪を使ったペン立てやたくさんの万年筆、絵などの細かなところまで再現されていて、向田ファンにはたまらないドラマでした。
タクシーの運転手さんとのエピソード「奥さん、ほんとに本気にしていいのかい」も、オチが分かっているだけにニヤニヤしてしまいました。オタク息子もいっしょに見ていたので少々居心地が悪かったですが(-_-;)
向田さんとトットちゃんの食卓。
「向田邦子の手料理」「向田邦子 暮しの愉しみ」他からのレシピだと思われます(もし、間違いや追加がありましたらご指摘下さい m(__)m)。締め切りをかかえてお忙しかったはずなのに、あんな美味しそうな食事*1をささっと作るコツを教えてほしい!
- いわしの梅煮
- うどの皮のきんぴら
- さつま芋と栗のレモン煮
- トマトの青じそサラダ
- さやいんげんのお浸し
- 人参しらす
昆布石鹸?「黒いニチャニチャしたお菓子」。
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向田邦子さんの「黒いニチャニチャしたお菓子」についての説明ですが、
黒くて四角くて、キャラメル一粒の四倍ほどの大きさである。匂いをかいでみると、どうも石鹸ではなくて食べられるらしい。
口に入れて噛んだら、ニチャリとして葉の裏にくっついた。味は正直いって美味しくなかった。昆布の粉にバターをまぜ込んだといったらいいか。
「女の人差し指」より
これを向田さんが雑誌の連載に書いたところ、読者の方から「リコリスというお菓子ではないか」とのお手紙が何通か来たようです。甘草が入っていて、アメリカではかなりポピュラーなお菓子だとか。
黒いニチャニチャする不思議なものは、リコリス(LICORICE)キャンディーといって、甘草を原料としたもの。ドロップやジェリービーンズの中の一色として入っているという。アメリカ人の家庭では、詰らぬ菓子を食べるぐらいならリコリスの方がからだによいと信じられている節があって、母親がよく子供に与えていました、と書いて下さった方もある。アメリカの漢方というところらしい。
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有名なトットちゃんの留守電や、直木賞を受賞された「かわうそ」獺祭図(だっさいず)のお話が出てきたりと随所に小ネタが満載。今回は本当に向田邦子祭りの「トットてれび」でした。後でまた見なおそうと思いますが、永久保存版です!
*1:邦子さんの妹、和子さんの「ままや」に行きたかった~!もっと早くから知っていれば閉まる前に行けたのに(つд⊂)エーン