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京都てっぱん日記

オタクな父&息子と3人暮らし。京都の面白そうなことをお知らせしようと、日々徘徊中。

宮本輝『錦繍(きんしゅう)』のタイムテーブルを作成してみた。

錦繍 (新潮文庫)
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先日のNHK「SWITCHインタビュー」から宮本輝ブームが再燃しているオタク父。今回の放送は、宮本輝×行定勲ということで興味深かったです。

SWITCHインタビュー 達人達(たち) - NHK

ほとんどの作品は読破し、装丁の有元利夫さんの美術展(@佐川美術館)にまで行ったのですが過去の蔵書は引っ越し等で処分 or 実家に置いてあるため、Kindleで少しずつ読み返してはります。いちばんハマっているのは『錦繍(きんしゅう)』。

「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。

錦繍 (新潮文庫)

へそ曲がりな京都人ですので今まで読んだことはなかったのですがm(__)m、京都がよく出てくると言われたので試しに読んでみました。

  • 靖明と由加子が無理心中未遂した嵐山の旅館ってどこ?
  • 靖明が入院していた病院は右京区の宇多野病院っぽい?
  • 由加子が勤めていたのは四条河原町の京都タカシマヤ(断定)。

などと思いながら最初は面白く読み進めたのですが、往復書簡の形をとっているためだんだんと時系列が分かりにくくて斜め読み状態(^_^;)。オタク父に伝えたところ、暫くして解説つきのタイムテーブルを作ってくれました。

 

『錦繍』タイムテーブル。

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一部抜粋しました。©京都てっぱん日記

・・・キッチリした人間が小説を読むとこうなるんやなあ~と、ズボラでいい加減なオタク母はかなり驚いています。いろいろ補足事項があるようですので、少々長いかもしれませんがこちら*1もご覧下さいね。気になる点がありましたら、コメント欄等で教えて頂ければ幸いですm(__)m

ここまでしてもらったらまた読み返さないとあかんやん。しかし、息子の清高の障害が分かったのとほぼ同時期に、夫の勝沼が浮気し始めたなんて鬼畜だなあ。よっぽどショックだったのかもしれないけれど(^_^;)

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©京都てっぱん日記

*1:前提1)
 小説中の年の記述には矛盾があります。本文中に年の記述が具体的にあるのは2カ所です。
  
 A)モーツァルトのご主人の来歴のうち銀行を定年したのが昭和50年秋であること。
 【5通目の手紙(亜紀 to 靖明)】

 B) 亜紀の母の命日が昭和38年12月14日であること。
 【14通目の手紙(亜紀 to 靖明)】

 このA,Bと、亜紀の記憶の上でまず間違うはずのない2つ出来事の亜紀の年齢
 ①亜紀が17歳の時、亜紀の母が亡くなったこと。【1通目の手紙(亜紀 to 靖明)】
 ②亜紀が25歳の時、亜紀と靖明が離婚していること。【1通目の手紙(亜紀 to 靖明)】
 の関係を考えると以下のようになります。

 A)を基準とすると
  モーツァルト主人は、銀行定年後さらに信用組合で1年ばかり勤めているので、モーツァルト開店は最短でも昭和52年の初夏になります。②から、昭和52年に亜紀が25歳であるなら、昭和38年の亜紀は11歳となり①の記述に矛盾します。(モーツァルトの開店が昭和53年初夏以降なら、①との矛盾は大きくなります)

 B)を基準とすると
  昭和38年 亜紀17歳の時に母が亡くなり、昭和46年、亜紀25歳の時に離婚したと考えることができます。矛盾はありません。

 A)の矛盾ですが、亜紀が過去の出来事の記憶に優れている人であったとしても、夫の伯父が定年した年まで間違いなく覚えているなると少し違和感があります。しかも、その人が定年したときは亜紀とは顔も知らない赤の他人なんですから…。よって、Aの記述は亜紀の記憶違いとし、Bの年を基準として、タイムテーブルを作成しました。
 なおこの文章は、小説に矛盾があることを批判している訳ではありません。むしろ、亜紀の当時の想い(不倫している夫の親戚なんて興味がない…)を間接的に表しているのではないかと感じています。

前提2)
 亜紀の誕生日は、小説から11月18日(14通目の手紙発信時)から12月14日(亜紀の母の命日)の間であると推測しています。この推測を前提としてタイムテーブルを作成しました。ちなみに亜紀と靖明の結婚もこの時期なので新婦の誕生日に結婚したのかもしれませんね。