京都てっぱん日記

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京都を、ペラペラの貸着物で歩く観光客さん。やっぱり変!

いや・・・あの着物はやっぱり変ですって。京都の大半の人間が、そう思っています(^^;

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写真はイメージです(写真=iStock.com/Tuayai)

京都でもこの数年、町にフランケンシュタイン化*1が目立つようになりました。その一つが、外国人観光客を相手にした、安価な着物を扱う小売店やレンタルショップの流行です。

そこで扱っている着物は、本来の着物に比べて色や柄が不自然に明るく、派手なものばかり。生地もポリエステル製などの安っぽいもので、日本の伝統を継承して作られたものではありません。

装いにしても、冬に浴衣を着たり、浴衣なのにボリューム感のある華やかな帯と合わせたりと、奇妙で陳腐なケースが多く見られます。本当の着物文化を知らない外国人は、このようなまがい物でも日本の伝統的な衣装だと錯覚し、喜んで着てはそのまま街を歩き回っています。

"冬でも浴衣"の観光客を歓迎する京都の罪 | プレジデントオンライン

上記はアレックス・カー、清野由美『観光亡国論』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。興味深いので、宜しければリンク先で全文を読んでみて下さいませ。

ここ数年、京都にも手軽な貸衣装屋さんが増えたようで・・・町を和服姿で歩く方が増えたなあ~と思っていました。でも中にはギョッとするような着こなしの方も多くて、

  • かなりご年配の女性(子連れ、孫連れ世代の方)が振袖を着ている
  • 冬でも浴衣、浴衣のようなペラペラの着物に不釣り合いな帯
  • 着物が着崩れて、布切れを巻いただけの巻きずし状態 or 裾広がりのてるてる坊主状態になり、体が露わになってこちらが目のやり場に困る

などと着物のルールを無視した着こなしの方も多く、あれはいったい何?と少し前から話題になっていました。海外の方が日本の民族衣装に親しみを持ってくれはるのはいいんやけど、それにしてもあれはなあ・・・。 

京都在住の東洋文化研究者アレックス・カー氏とジャーナリストの清野由美氏は「観光客向けに安っぽいものをつくる『稚拙化』は、やり始めると歯止めがきかなくなる」と警鐘を鳴らす――。

アレックス・カー、清野由美『観光亡国論』より

だそうです。詳しい方*2やタクシーの運転手さんに聞いたところ、こういった着こなし、着物はお店のオーナーさんが外国人の場合によくあるパターンだそうで。貸したり売ったりする方は利益重視で、日本文化とかどうでもいいんかなあ~と、ほんまに悲しい。

「観光公害」を指摘するアレックス・カーさんのご本。大人気、ベストセラーです(^^;

観光亡国論 (中公新書ラクレ)
アレックス・カー 清野 由美
中央公論新社
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余談:「インスタ映え」しそうな派手ものが多い(^^;

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©じゃらん

最近街へ出てみると、ビジュアル的に派手でいわゆる「インスタ映え」しそうなものの多いこと!食べ物までがわかりやすく賑やかな色使いで、目がチカチカします。京都ってそんな派手な色使いのものって、今まで無かったような。

個人的には服でも食べ物でも何でも、地味で渋いものが好きな昭和生まれの古い人間・・・鹿苑寺(金閣)よりだんぜん慈照寺(銀閣)派なので、最近の京都にはいろいろと悲しい思いをしています。グチってしまいすみませんm(__)m

*1:注:『観光亡国論』でのフランケンシュタイン化とは「核心をしっかりと押さえながら、時代に合わせて姿・形を柔軟に変化させていく方法です。これは文化の健全な継承の形ですが、核心への理解がなければ、本質とは異なるモンスターを生む方向へと進んでしまう恐れがあります」

*2:先日行った街なかの美容院では、

「この前見たんですけど、外国人観光客らしき方が浴衣にゴージャスな袋帯を締めてはるんです。いろいろビックリですわ」

と言われました。袋帯とは、ざっくり言うと礼装の着物には欠かせない華やかなボリュームのある帯です。よくある話だそう(^^;