どんな場所でも「住めば都」というけれど、京都だけは例外かもしれない。表の優雅な顔とは裏腹に、一歩足を踏み入れれば、よそ者には冷たく二枚舌。
日本の大学で初めてアフリカ人学長となった著者のサコ氏は、そんな「いけず」の街とも知らず、30年前に京都にやってきた。本書は氏の京都暮らし奮闘記であると同時に、専門分野の「空間人類学」を通し、京都人の本当の姿を伝えるノンフィクションである。
氏の故郷、マリ共和国は一夫多妻制で、ひとつ屋根の下、100人で暮らす大家族も珍しくはない。いつも賑やかで居候が何人いようと、半年、居座ろうと気にしないおおらかな国だ。
一方、京都人は「よそ者」を警戒し、本音はひた隠す。「ぶぶ漬け(お茶漬け)いかがどすか?」に代表されるように、日本人ですら京都人の物言いは不可解なのだから、氏が混乱するのも無理はない。
今も京都で暮らしているのに、こんなに赤裸々にぶっちゃけて大丈夫?と心配になるほど、表裏の激しい京都人VSファンキーな留学生の抱腹絶倒のエピソードが盛りだくさんだ。
京都市左京区に「京都精華大学」という大学があります。ここの学長さんはアフリカ・マリ出身のウスビ・サコさん。2018年の就任当時は、日本の大学初のアフリカ系学長として話題になりました。京都大学大学院で学ばれ、奥さまは日本人。テレビにも出られることもあるので、ご存じの方も多いと思います。
今回のこの本、京都好きにはかなり面白い本です。大ざっぱに言えば井上章一さんの「京都ぎらい」っぽいかな。2016年の新書大賞を受賞されたベストセラー本です。
井上さんは何だかんだ言っても京都の人なので、いろいろ客観的に見られていないところがありましたが(わざとかな?)、サコさんはさすが!京都の変なところをたくさん挙げてくれてはります・・・もう笑えるようなネタが満載。小ネタもたくさん!
さらっと見出しを書いていきますと、
- 褒め言葉を駆使したクレーム
- だれかわからない「山本さん」
- 京都みやげの7パターン
- 大学よりも小学校が大切
- 京女と知識人
- 京都精華大学にはなぜ老舗の子が多いのか*1
- 豆腐屋のキムチ
などなどです。「褒め言葉を駆使したクレーム」はケンミンショーでも有名な「楽しそうやねえ、賑やかやねえ」=うるさい、っていう意味のアレですね。京都のええとこのお嬢さんには未婚者が多い、って実は秘かな「あるある」。そして海外の人って、そんなことしてはったんやと驚いたのは「豆腐屋のキムチ」。これはかなり引きました。
「京都あるある」がたくさん!京都好きなら絶対に面白い♪
GWまで置いておこうと思い・・・昨日にやっと読んだのですが面白い本です。話題になった「百味会」の放送のこともちらっとだけ書いてありました。この放送だけは未だに再放送されてないんですよね。幻の放送回?
ありのままの京都を書いてみたら結果的にぶっちゃけてしまった、という感じの本。あまり書くと面白くないので、このくらいにしておきます(ってだいぶ書きましたが(^_^;)。興味のある方はご覧下さいませ。
*1:裏千家の長男さんが京都精華大学にいはった話は驚きました。以前は「京のプリンス」としてKBSで番組があったのですよ。ちなみにお家を継がはったのは次男さんでしたが・・・。 そして大昔には・・・誰もが知っている京都ならでは某有名企業の婚外子さんもいはったような?