京都に春の訪れを告げる「都をどり」。寛永年間より八坂神社の門前町として栄えた祇園町にある花街・祇園甲部の芸妓・舞妓が一堂に会し、四季を表現した舞台で艶やかに舞う様は絢爛豪華そのもの。長く厳しい冬のあと、うららかな春を迎える、まさに京都の風物詩のひとつです。
第149回を迎える今年の「都をどり」は、耐震工事を終えた祇園甲部歌舞練場で7年ぶりに開催。コロナ禍での中止という試練も乗り越えた柿落としの公演に対する京舞井上流 五世家元・井上八千代さんの思いや、厳しい稽古に励む芸妓・舞妓の姿を紹介します。
さらに常盤貴子さんの知人でもある現役の芸妓・槇子さんが新しく生まれ変わった歌舞練場を案内。
また祇園甲部界隈は全国の食通たちを唸らせるグルメ激戦区でもあります。今回は京都のハレの日にかかせない「さば寿司」やニンニクやスパイスを極力使わない京風中華など、花街ならではの美食の名店をご紹介します。
今回は都をどり特集。中止や耐震工事のため他会場での公演などがありましたが、7年ぶりに新歌舞練場での柿落し公演ということで盛り上がっています。見ているうちに久々に行きたくなりました。団子皿*1欲しい・・・!
都をどりとは?
現在、京都には祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があります。その中でも、最も大きい花街が、祇園甲部です。
その祇園甲部の芸妓・舞妓が、毎年4月1日~30日の1ヵ月間開催している舞踊公演を「都をどり(みやこをどり)」と言います。
「都をどり」は、1872年(明治5年)に初演を行い、2023年春の公演が通算149回目となり、京都の春の風物詩となっております。
お座敷などでしか観ることができない芸妓・舞妓の舞を、気軽に観ていただくことができるのが、特徴です。
「都をどりはヨーイヤサー」というかけ声とともに、左右の花道から鮮やかな藍色の揃いの衣裳をまとった芸妓・舞妓16名が、桜・柳の団扇を持って登場します。
動画は数日前にあった稽古の総仕上げ「大ざらえ」の様子です。7年ぶりの開演に向けて、皆盛り上がっている感じ。ヨーイヤサー!!
井上八千代さん(五世家元)
上方舞の中でも、京都固有の特色を持つ井上流を特に『京舞』と呼びます。井上流は、寛政年間(1789~1801)に近衛家の舞指南役を勤めた井上サト(初世井上八千代)が宮廷文化を基盤に創始しました。以来ほぼ2世紀の歴史を持ち、祇園甲部の正式唯一の流派です。今や京都の年中行事となっている「都をどり」を支えているのも京舞井上流なのです。
京都五花街のなかで最も格式が高いとされる祇園甲部、舞の流派は京舞井上流。京都を本拠に女性にのみ継承することを許されている日本舞踊です。現在は五代目で人間国宝さんです!
すぐ目の前で何回か拝見したことがありますが、凛とした美しい舞でとても素敵でした。お稽古でのピシッと厳しい様子、さすがという感じです。
芸妓・槇子さん
祇園甲部の芸妓さん。常盤貴子さんとはNetflix「舞妓さんちのまかないさん」つながりですね。大ヒットした原作と、是枝裕和監督ということもあって話題になりました。
いづ重
初代が「いづう」で修行されたという京寿司のお店。今年、改装されてキレイになりました。名物は鯖姿寿司といなり寿司ですが、美しい上箱寿司も有名です。
℡:075-561-0019
10:30~19:00、日曜営業
定休日:水曜(祝日の場合は翌日)
→京寿司の老舗 祇園石段下 いづ重
竹香(たけか)
祇園の広東料理店。テレビや雑誌で「京都のあっさり中華」特集なら必ずと言っていいほど出てくるお店かも。
「(河原町の)広東料理の老舗『芙蓉園(ふようえん)』で10年修業した父が、独立してはじめた店です。花街という場所柄、祇園で芸事や夜のお仕事に携わる人や、企業の商談・接待などにお使いいただけることが多かった。そうしたお仕事に差し障りないようにと、お客様のリクエストに応えるかたちで、香辛料やニンニク、油を控えたメニューができあがりました。中国の方が召し上がったら『これが中華?』と驚かはるかもしれませんね」
℡:075- 561-1209
営業時間:17時~21時
定休日:火曜
→京都祇園で美味しくてリーズナブルな宴会は中華料理竹香 | 個室(5名様〜56名様)
とりあえずまとめてみましたが随時追記します!BS11などで放送されるのが楽しみですね。
*1:お茶席で頂けるあの団子皿!お香を焚くときなど、実はけっこう便利に使えます。