ネットをチェックしていたら、Yahoo!ニュースに酒井順子さんの記事がありました。酒井さん、京都がお好きで以前は長期滞在もされていたそうです。京都新聞でもたまにコラムを書いてはりますね。
黄金色に透きとおる酢豚、食べてびっくり
中でも私が驚いたのは、中華料理です。京都の友人が、 「たまには中華でも行こか」 と連れていってくれたのは、祇園の「T」という中華料理店。やはり祇園、中華のお店も和風の作りなのね。……等と思いつつウキウキとお店に入れば、店内にも小上がりなどがあって、中華感は薄い。
友人は、春巻きや酢豚など、定番の料理を頼んでくれました。すると運ばれてきた料理がそこはかとなく、自分の知っている姿とは違うのです。春巻きは、巻いているものがいわゆる春巻きの皮ではなく、薄焼き卵のようなもの。そして酢豚は、何だかやけに美しく輝いている。何が美しいのか、しばし理解ができなかったのだけれど、次の瞬間にわかりました。酢豚のとろりとしたあんかけの部分が、普通であればダークな茶色であるのに対して、黄金色に透きとおっているではありませんか。
食べてみてもまたびっくり。それぞれの料理の味わいがあっさりとしていて、絶対に胃にもたれない感じなのです。祇園生まれの友人によれば、
「京都の中華て、皆こんなやで。芸妓(げいこ)さんやら舞妓(まいこ)さんやらが食べはるから、匂いがついたらかなわんやろ。だから、にんにくとか香辛料は、つこぉてへんねん」 とのこと。
「そうなんだ……、美味(おい)しい! そして美しい!」 と、透きとおる酢豚に感動していると、
「へぇ、東京の人はこんなん珍しいんや。じゃ今度、『H』も行こか」 ということで、次の週に連れていってくれたのは、北区の紫明通沿いにある中華料理店「H」でした。
こちらは、タイル張りの床に、戦前の中国を思わせるようなクラシックな内装の建物の前には和風庭園が広がるという、和中折衷的なお店。高い天井もあいまって、どこか別の地に来たような気持ちにさせられます。
料理はやはり、全体的に低刺激のはんなり風味。酢豚は、透き通っています。聞けば、このお店を始めた中国の人の元で修業をした料理人たちが、はんなり風味の中華を京都に広めたのだそう。その後、「H」は惜しまれつつ閉店してしまいましたが、弟子筋の料理人たちが開いた店の料理は、今も「H系」と言われているのだそう。
酒井さん、以前のご本「都と京」でほぼ同じことを書かれています。本ではイニシャルなしで京都のことを客観的にいろいろ書かれていて、面白いです*1。
春巻の皮って柔らかいのが当たり前、だと思っていたので・・・他でパリパリの春巻を食べたときはビックリしました。なるほど、逆もあるんだなあと納得。
竹香(祇園)
祇園のTとは、竹香(たけか)、ファンの多い有名店。以前は近くにテイクアウトのお店もあったような?夜のみの営業です。
℡:075- 561-1209
営業時間:17時~21時
定休日:火曜
→京都祇園で美味しくてリーズナブルな宴会は中華料理竹香 | 個室(5名様〜56名様)
鳳舞(紫明通)
イニシャルHは鳳舞(ほうまい)、現在は閉店しています。ここからののれん分け店「鳳飛」「鳳舞楼」「鳳泉」が人気店となっています。個人的には「鳳飛」がお勧めかも。昔は本当によく食べました♪
でも月の半分ぐらいしか営業してはらへんのが玉にキズ・・・人気店なのでお客さんが多すぎるのかしら(^^;
からしそばなら「鳳舞楼」もお勧め、よくテレビにも出てはります。
天下一品のラーメン
しかし京都では、すべてのものが薄味なわけではありません。たとえば京都名物の一つにはラーメンがありますが、京都で人気のラーメン店といえば、こってり濃厚系が多い。中には、ポタージュスープのようにスープが濃厚で、「箸が立つ」と言われる店もあるのです。
これはイニシャルではありませんが・・・「天下一品」のこってりラーメン、京都人のソウルフードと言っても過言ではありません。好きな方は皆さんそれぞれお好みの「マイ店舗」をお持ちかな。個人的には上鳥羽店が好み(直営ではないのですが)。
宜しければリンク先で酒井さんの連載を読んでみて下さいませ。酒井さんお勧めの「京都の中華」も、京都好きならかなり面白い本ですよ!(ちなみに表紙の酢豚は、西陣の「糸仙」)