京都に生まれ育ってウン十年ですが、自他共に認めるお人よしで空気を読むのもあまり得意ではなく・・・未だにベテラン京都人のはんなり&曖昧なしゃべり*1に騙されることが多々あります(^^;
京都人との会話中での要注意ワードに「よろしいなあ」があります。先日アップした『京都人の密かな愉しみ Blue 修業中』のレポート内でも大原千鶴さんが仰っていました。「よろしいなあ、また考えときますわ」って例のヤツです(^^;
「よろしいなあ」 「よろしおすなあ」は、京都では「へえ、そうなんだ」ぐらいの意味。単なる相づちのひとつで、「良いですね」という意味ではけっしてないんですよね。
京都人も騙される、「よろしいなあ」。
先日、大先輩から聞いたコワい話をひとつ。差しさわりがあるといけないので、回りくどい書き方でゴメンナサイ。
とある京都の超有名お茶会社がお抹茶の自動販売機を駅などに置こうと計画されたそうなのです。下記カレンダーにもお茶を提供してはる有名会社さんです。
一応、了承を得ておこうと社長自らがこれもまた有名な茶道の某お家元に会ってお伺いをたてると、
「へえ、それはよろしいなあ」
と、仰られたそう。
これは大丈夫なのだなあ、と思っていろいろ世間話をして帰ろうとすると、お家元がにっこり笑って一言、
「さっきのお話、進めてもらうのはかまへんけど、それをしはるんやったら今後はうちとの取引はいっさい無しにしてもらいますえ」
と言われてほうほうのていで帰ってきたとか・・・業界ではちょっと知られたエピソードだそうです(^^;
「よろしいなあ」って本当に京都の人間でも曖昧で分からないときがあって。相手の声色や発言のトーン、表情やその後の話から判断するしかないのです。でも京都人って無表情なことが多いんですよね、ああ難しい。
*1:この曖昧なしゃべりも、京都では戦乱や権力の交代がたびたびあったために他人との距離を保つためのの処世術だと言われています。