久々にお気に入りのお店へ伺ったら、奥の方に某老舗店の若主人さんらしき方の姿が。そうか、今日は月曜日でお店はお休みなんやなあ。めっちゃ楽しそうなご様子・・・お邪魔すると悪いので、手早く用事を済ませて帰りました。
ここのお店では、帰るときに店員さんがお店の外まで必ずお見送りして下さいます。どんなに寒い日でも暑い日でも!しばらくして振り返るとまだ見送ってはる・・・会釈して足取りを少し速め、御池通の角を曲がってほっとします。
京都在住、歯医者さんで作家の柏井壽さんの記事*1にも書いてありました。京都好きの方なら面白いと思いますので、宜しければ参照元で全文読んでみて下さいませ。
京都の店で食事を終え、勘定もすませて、店を出ます。心ある店なら、主人か女将のどちらか、もしくは両方が、店の外まで見送りに出てきます。(中略)
最後の挨拶を交わし、店を後にします。が、そのまま立ち去ってはいけません。振り返ってみましょう。じっと立ったまま、或いはお辞儀をして、見送ってくれています。会釈を返しましょう。互いの名残を惜しむ儀式のようなものですから。これがどこまで続くかといえば、角を曲がって姿が見えなくなるまで、です。なので、客はそこまで早く到達しないといけません。
老舗、一見さんお断り、おいでやす…。柏井壽に学ぶ《京都の心を知るための22のことば①》 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン
姿が見えなくなるまで見送って下さるのはやっぱり京都だけなんやと驚きつつ、皆さん角を早く曲がりたいんやなあ、良かったあと安心しました。
でも角までめっちゃ距離があったらどうするんやろ、と思ったら早めに曲がるそうです!お借りしたのは最近話題の老舗扇子店、大西常商店の若女将さんのツイート。
宮川町のおかあさんと打ち合わせ@弊社。明らかに帰り道一直線なのに、お見送りしている我々のために一筋曲がってお帰りになる。心遣いィイイイイイイ!プロ!!!!!!!
— 大西里枝 扇子屋女将 (@RieOhnishi) June 8, 2022
さすが宮川町、気遣いを気遣いで返すプロ。帰りはたぶん松原通一直線なのになあ。
ちなみにここで「おかあさん」とはお茶屋や置屋の女将さんのことです(花街に店を構えている店主さんもそう呼ばれるそうです。「おとうさん」も同じ。)。
*1:↑柏井さんの記事は雑誌からの抜粋ですが、「お見送り」を詳しく知りたいならSB新書「おひとりからのしずかな京都」が良いかも、です(一見さんお断り、ぶぶ漬け、門掃きなどの京都キーワードてんこ盛り。柏井さんって京都ネタの使いまわし良くしはります)
京都に似合うのは「喧騒」ではなく「静けさ」だ。
コロナ渦で一変した京都の街に賑わいが戻り始めているという。
京都が以前とおなじ「喧騒」に満ちるのも時間の問題かもしれない。
ならば、「しずかな京都」に出会える癒やしの大人旅を提案しよう。
生粋の京都人の著者がこっそり伝授する、
地元の人しか知らない名所、行事や文化、美食の店をご堪能あれ。<第三章 京の言葉遣いを知る>
<amazon>おひとりからのしずかな京都
しずかな京都と京の言葉
一見さんお断り
よろしいな
この前の戦争
ぶぶ漬け伝説
天神さん
おいでやす
おもたせ
老舗
暑おしたなぁ
門掃き
京の台所
お見送り