この時期に世間で話題になる「稚児(ちご)」いわゆる「お稚児さん」とは、長刀鉾に乗る男の子で、祇園祭の主役です。お稚児さんは本人だけでなくご両親の衣装代や周囲の方たちへのお礼代などで莫大な費用がかかるため、お金持ちの家のお坊ちゃんしか選ばれません。
オタク母は某有名神社で長年アルバイトをしていたためにちらっと聞いたことがありますが、かなりまとまった金額*1だったため、びっくりした記憶があります。
長刀鉾のお稚児さんになると、お得?
祇園祭の稚児には他にも神幸祭・還幸祭で神輿の先導役をする久世駒形稚児(くぜこまがたちご)や、鉾の先導役として6人の稚児が巡行に参加する綾傘鉾(あやがさぼこ)のお稚児さんもいはりますが、長刀鉾のお稚児さんはやはり注目度が違います。
ちなみに「夏柑糖」で有名な老松のご子息や、お香で有名な松栄堂の現社長も長刀鉾のお稚児さん経験者です。
長刀鉾のお稚児さんになると、葵祭の斎王代と同じように
「○○の××さんって、祇園祭のお稚児さんしはったんやてぇ~」
と後々まで話題になりますので、お商売をされているお家にはかなり良い宣伝になるのだとか(^-^)
お稚児さんは、毎日がハードスケジュール!
お稚児さんに選ばれてから、山鉾巡行の翌日「お位返しの儀」 までの約1ヶ月半、本人とご家族は毎日大忙しです(7月末まで神事は続きます)。
- 京都市長表敬訪問
- 衣装合わせ
- 乗馬練習
- 八坂神社参拝
- 注連縄(しめなわ)切練習
・・・これらはほんの一部です。この期間、「稚児は『きゅうり』を食べてはいけない」「女性(母親含む)が稚児に触れてはいけない」などの伝統的なしきたりも多々あり、終わるまでは色々と気が抜けないようですね。
ご両親はともかく、10歳前後の子どもには本当に大変なお役目のようです。暑い中たいへんだと思いますが、頑張って頂きたいものですね。
毎年この時期の楽しみ、「月刊京都」の7月号は祇園祭特集です。売り切れのお店もあるとか?
*1:基本的には京都らしく「お気持ち」なのですが、お披露目会や記念品などをケチるとみっともないよね~ということらしいです。京都らしい。
神官さん曰く、「ちょっとしたマンションが買える価格やな」だとも。合計でウン千万円ってことね・・・。