これまたマニアックな内容ですみません。我が家は京都新聞を購読しているのですが、1面に連載されている井上章一さんのコーナーを読んでみると・・・!
仮面洛外者の告白
先日、事情があって自分の戸籍を、チェックした。見ておどろいたのだが、私の出生届は中京区に出されている。生み落とされたのは、中京区の病院であったらしい。私はこれまで、花園生まれの嵯峨育ち、洛外者を自負してきた。このコラムでも、そう公言している。もちろん今でも、その自意識に変わりはない。しかし、嘘をついていたのかもしれないという、かすかな負い目も感じている。連載の最後に、懺悔のつもりで告白する。
京都新聞(3/30)より
井上章一さんは洛星高校→京都大学という京都人のエリートコース(ちょっと古いかな?)を歩んできたお方。現在は国際日本文化研究センターの教授です。著書の『京都ぎらい』は2016年の新書大賞を受賞され、めっちゃ売れました!
井上さんは京都の洛外出身という立場から、今まで洛中の方をさんざんディスってきはっただけにかなり驚いています(^^;・・・中京区なら、バリバリの洛中ではないですか!
京都では洛中出身が幅を利かせるのは常識。このご本の中でも、洛中の方からディスられた、マウンティングされた逸話を自虐的に長々と書いていらっしゃってそれが面白かったのですが。
洛中は偉い!
くどいようですが、分かって頂けるように再度引用しておきますm(__)m。著者が京都の有名町家・杉本家住宅を訪れはったときのことです。京都らしく、さりげなーくソフトにディスられてはります・・・。
あらかじめ電話をかけて、訪問の約束ができた日に、私は同家をたずねている。初対面の九代目当主、故杉本秀太郎氏とも、会うことができた。こちら側の依頼ごとも、過不足なくつたえている。杉本氏も、調査の件は、こころよくひきうけてくれた。
ただ、私のしゃべる京都弁らしい言葉づかいが、どこか気になったせいだろう。杉本氏は、こんな質問を私にぶつけてきた。
「君、どこの子や」
たずねられた私は、こたえている。
「嵯峨からきました。釈迦堂と二尊院の、ちょうどあいだあたりです」
この応答に、杉本氏はなつかしいと言う。嵯峨のどこが、どう想い出深いのか。杉本氏は、こう私につげた。
「昔、あのあたりにいるお百姓さんが、うちへよう肥をくみにきてくれたんや」
京都ぎらい より
井上さんの自虐っぷり、めっちゃ面白かったのに・・・連載の最後に懺悔ってなかなかやわ。個人的には、源水閉店に次ぐビッグニュースでした(^^;